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1.Accessの基本

Access(DB「データベース」)とは、コンピュータ上で集積・整理された情報群のことです。

エクセルでもデータベースを作れますが、大量データの扱いやリレーショナルを行うにはAccessの方が適しているといえます。

操作にはSQLというデータベース言語が必要となる場合があります。

(1)データベースとは

データベースとは、決まった形式で整理されたデータの集まりのことです。

大量にあるデータを検索しやすくしたもので、一般的にコンピューター上で整理されたデータ群を指します。

たとえば、顧客情報を「氏名」や「電話番号」の項目ごとに整理したり、複数の商品情報を「商品コード」別に分類したりしたものがデータベースになります。

集積したデータを抽出・編集・共有しやすく、整理された情報は必要なときに必要なデータをすぐに取り出せる点が最大のメリットです。

商品在庫データの中から、在庫数が一定数以上の商品を見つけたい

住所録の中から、東京都在住の人物をリストアップしたい

契約リストのなかから、担当者が「鈴木」のものだけを抜き出したい

例えば上記の様な事を行いたい場合、バラバラな形式でデータが保存されていると該当の情報を地道に探さなければならず、多くの時間と労力を要します。

データベースなら検索や抽出がしやすいので、面倒な作業をせずに済みます。

また、複数人でデータベースにアクセスして同時に編集することもできます。

(2)Accessの構成要素

Accessは4つのオブジェクトで構成されています。

①テーブル:データを保管・管理するための場所

②クエリ:テーブルに保存されているデータの操作

③フォーム:データを入力、抽出するときの操作画面

④レポート:テーブルから取り出したデータの帳票作成、印刷

Accessの処理の流れは、

テーブルのデータをクエリによって操作し、その結果をフォームに入力したり、レポートで帳票を作成して印刷して利用するイメージです。

クエリ、フォーム、レポートはいずれもテーブルのデータによって作成されるので、テーブルはとても重要なオブジェクトとなります。

また、上記の4つのオブジェクト以外にも、マクロ機能VBAの機能が備わっています。

マクロは、複数の作業工程を自動化して一括化する機能です。

マクロによって、繰り返しが必要な作業が1回の操作で可能になります。

VBAとは『Visual Basic for Applications』の略で、プログラミング言語の1つです。

VBAを利用することによって、より複雑な処理を自動化する機能を作ることができます。

2.テーブルの概要

(1)テーブルとは

Accessのテーブルとは、データを格納(蓄積・保存)するオブジェクト(物)です。

テーブルは以下のような機能があります↓

①データの蓄積。保存することが出来ます。

いろいろなデータを「テーブル」に保存することが出来ます。商品情報や在庫数、顧客情報などです。

②データに属性を設定することが出来ます。(データ型)

文字列や、数字型、日付/時刻型などを設定することにより、それ以外の入力は出来ないようになります。

③リレーションシップを作成することが出来ます。

2つのテーブルに共通する項目(フィールド)同士を関係付けることが出来ます。(リレーションシップと呼びます)

例えば、Aさんの個人情報と買った物の情報を別々のテーブルに保存した場合、Aさんという共通の項目を両方のテーブルに保存することで、Aさんの個人情報と買った物を関係付けることができます。

④エクスポートすることが出来ます。

「テーブル」のデータを、「csv」や「Excel」データとして取り出すことができます。(エクスポート機能)

⑤インポートすることが出来ます。

「csv」や「Excel」データを「テーブル」に取り込むことができます。(インポート機能)

(2)フィールド・レコードとは

フィールドは項目名の事を指します。

例えば電話番号と氏名が入力されてある個人データがある場合、「電話番号」「氏名」の項目をフィールドと呼びます。

レコードは1行分のデータを指します。

Excelの1行目や2行目をイメージすると分かりやすいかもしれません。

(3)テーブルの種類

テーブルは自分だけが使えるテーブルと、他の人と共有できるリンクテーブルの2種類があります。

自分だけが使えるテーブルは表アイコンが表示され、他の人と共有できるリンクテーブルは表アイコンの左側に矢印のマークが付いた状態で表示されます。

また、リンクテーブルには地球のマークに矢印が付いているアイコンも存在します。

(4)データシートビューとデザインビュー

ビューはオブジェクトの種類によって異なります。

例えばテーブルの場合、

データを表示・入力するには「データシートビュー」で表示。

データ形式やデザインを決めるなど、テーブルの設計をするには「デザインビュー」で表示します。

3.クエリによるデータ抽出

(1)クエリとは

クエリ(query)とは、「問い合わせ(る)」、「訪ねる」などの意味を持つ英単語で、ITではソフトウェアに対するデータの問い合わせや要求などを一定の形式で文字に表現することを意味します。

Accessではクエリを通じて、データの検索や更新・削除・抽出などを行います。

(2)クエリの種類

クエリの種類アイコン説明
選択クエリテーブルのデータを表示する。集計クエリ、オートルックアップクエリ、パラメータークエリ、重複クエリ、不一致クエリも含まれる
クロス集計クエリ2次元の縦横集計を実行する
テーブル作成クエリ抽出したレコードから新規テーブルを作成する
更新クエリ既存のテーブルのデータを更新する
追加クエリ既存のテーブルにレコードを追加する
削除クエリ既存のテーブルからレコードを削除する
ユニオンクエリ複数のテーブルのレコードを縦に連結する
パススルークエリSQL サーバーなどのデータベースに接続してデータを取り出す
データ定義クエリSQLステートメントでテーブルの構造を定義する

(3)クエリを作成する

表示させたいテーブルデータを選択し、必要な項目を追加していきます。

このさい、別々のテーブルを同一の値で連結して表示することも可能です。

(4)並べ替え、抽出条件

データの並べ替えは、クエリの「並べ替え」から昇順または降順を選択することができます。

また、抽出条件に条件式を入れることにより、特定のデータのみ抽出することが可能です。

(5)演算

クエリではフィールド同士を演算することができます。

例えばテーブルデータに商品金額と手数料という項目があった場合、

合計金額:[商品金額]+[手数料]

とすることでこのフィールドには合計金額が表示されるようになります。

演算フィールドで使える演算子は、

優先①:()で囲まれた式

優先②:^(べき乗)

優先③:*(乗算)

優先③:/(除算)

優先④:+(加算)

優先④:-(減算)

が使え、優先順の高いものから計算されます。

(6)パラメータクエリ

パラメータークエリはクエリの抽出条件の一種で、クエリを実行すると[パラメーターの入力]ダイアログボックスが表示され、そのテキストボックスに条件を入力してレコードを抽出できるクエリです。

毎回、異なる条件でレコードを抽出することができます。

また、あいまい検索でレコードを抽出することもできます。

4.フォームでデータを入力する

(1)フォームとは

フォームとは、効率良くデータを 入力・更新するためのオブジェクトです。

フォームを利用すると、 テーブルやクエリのデータを1レコード単位(単票形式)で表示したり、連続したデータ(帳票形式)で表示することができるのでデータの入力や表示が容易になります。

(2)フォームのビューの種類

フォームのビューには、

見栄えを整えるレイアウトビュー、

見栄えやコントロールの追加・編集ができるデザインビュー、

データの入力・表示ができるフォームビューがあります。

フォームビューではテーブルやクエリのデータを表示し、 データの編集や追加などの操作ができます。

(3)コントロールの追加、編集、削除

コントロールには様々な種類があり、必要に応じて追加や編集・削除を行います。

テキストボックス、コンボボックス、ラジオボタン、チェックボックス、などの他に画像の挿入やボタンの設置をするこも可能です。

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